2008年4月3日木曜日

中島らも「こどもの一生」


4月3日は故・中島らもさんの誕生日ということで、私の好きならもさん作品を。

瀬戸内海に浮かぶとある島にあるセラピー施設「MMMクリニック」。
ストレスを抱えた人々を治療するためにこの施設では投薬と催眠療法で患者たちを精神的に退行させ10歳の子供の状態にしてしまう。今回訪れたクライアントは落ち目のアイドル、作法の家元、コンピュータに強い頭脳明晰な青年、企業の社長と秘書、の計5人。一部現実世界でのしがらみを持ち込みながらも「5人のこどもたち」は島で遊び始め、徐々に奇妙な人間関係が築きあげられていく。子供ならではの派閥が徐々に生まれ、そこから子供たちはいじめっ子をぎゃふんと言わせようと「ある遊び」を考え付くのだがそれが元で台風が接近した夜、恐怖がクリニックを襲うことに――。


心理学をかじった人ならうんうんと頷ける部分もあるかと思います。
前半は10歳児に退行した5人の会話の面白さで引っ張り、後半は一転してホラーの世界。
前半の明るさとのギャップが凄まじいです。
読後は表紙絵を見ただけでもビクっとしてしまいました…。

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