2009年4月25日土曜日

ルポ 貧困大国アメリカ



著者・堤未果
ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍。現在はNY‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。
(著者紹介情報より)




アメリカのイメージ、というと、
海の向こうの大国・ジャンクフード・犯罪大国・肥満・・・などなど沢山挙がると思いますが、
この本では、アメリカの「負の側面」に焦点をあててルポをしています。


例えば、日本のテレビ番組などでたびたび取り上げられるアメリカの肥満人口の高さ。
これが「裕福」ではなく、「貧困」に起因しているものであるということとは、多くの人は考えないと思います。
このような、日本のメディアが伝えるアメリカのイメージの裏にあって、ともすると見落としてしまいがちな「アメリカの現状」が描かれています。


「一部の大金持ち」と「多くの貧民」という激しい経済格差、というのがホントのところのアメリカの現在。
そのキーワードは、もちろん新自由主義にあります。
極端な民営化は戦争、ついには国が責任を負うべき公共サービス…医療、教育までに及びます。



読み進めていくと、この現状が決して人事ではないということがよくわかります。
ここにルポされているような、アメリカの「市場の失敗例」をどう生かすか。
国家は国民にとって何なのか、国民の幸福と国家の在り方とは・・・という問題を改めて問い直さなくてはならない、と感じました。




この本は講義の課題図書として先生から紹介されたものでした。
「どうせ政治や世界情勢に疎い今の学生のことだから、いきなり専門書渡しても読めないだろう」と
先生が考えてこの本を取り上げたのは定かではありませんが、
とても読みやすく書かれているため、世界の政治や経済について知識を増やしてみたいけど、どこから手をつけていいかわからない。。。という方に強くオススメできる本です。
実際、わたしを含めて同じ講義をとった友人の多くが
「読みやすくて面白かった!勉強になった!」と言ってました。



たまには大学生らしいオススメをしてみようと思いました。笑


(みき)

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