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2009年6月15日月曜日

シリアスレイジ


 感染症にもいろいろあります。この作品はレトロウイルス(遺伝子情報を書き換えるウイルス eg.HIV)の感染によって生態系に変異が起きた後の世界を描いています。

 当初、治療法がないといわれたこの感染症のワクチンを開発するためにいろいろな人の活躍があったみたいです。後にレイスハンター(変異種採取者)と呼ばれる職業のさきがけとなった人達が、感染によって凶暴化した野生動物からサンプルの採取をし、その命がけの働きのおかげでワクチンの元となるサンプルが確保できます。この辺は作中ではあまり多く触れられていないのですが、作品の裏側では常にこのことが尾を引いてきます。

 それは読んでからのお楽しみということにして、ストーリー的には、、、

 完成したワクチンを摂取したことで、回復したレイスハンター志望の少年が主人公です。
 レイスハンターになるための実習に参加した主人公。そんな中、予期せぬ事態が発生します。ピンチから一人逃れた主人公が何を考え、どう行動するのか。
 ある職業が安定してくると起こる怠慢や組織の腐敗、それを正すために周りが見えなくなってしまう者、そんなちょっと深いところにも触れる感じの小説です。



(みっちぇる)

2009年6月8日月曜日

リセット・ワールド


 新型インフルエンザの感染拡大が巷間を賑わす今日この頃ですが、「感染症」に関する作品は以前からいろいろありました。今は一般的になった「パンデミック」という言葉も小説などでは意外に昔から使われていたりします。

 この作品はインフルエンザではありませんが「三日熱」(同作者「時空のクロス・ロード」に登場)という感染症が蔓延した結果、大人たちが死に絶え一度リセットされた世界を舞台として、子供たちが生き残るために「知恵」や「勇気」でピンチを潜り抜けていく冒険ファンタジーです。

 ちなみに、この作者の小説は比較的きちんとした世界のもとに形成されており、この小説でも2008年時点の実際の日本の地理的要素を取り入れて描かれているため、親しみが持てやすいと思います。

 ぜひ読んでみてください!!

(みっちぇる)

2009年4月25日土曜日

ルポ 貧困大国アメリカ



著者・堤未果
ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍。現在はNY‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。
(著者紹介情報より)




アメリカのイメージ、というと、
海の向こうの大国・ジャンクフード・犯罪大国・肥満・・・などなど沢山挙がると思いますが、
この本では、アメリカの「負の側面」に焦点をあててルポをしています。


例えば、日本のテレビ番組などでたびたび取り上げられるアメリカの肥満人口の高さ。
これが「裕福」ではなく、「貧困」に起因しているものであるということとは、多くの人は考えないと思います。
このような、日本のメディアが伝えるアメリカのイメージの裏にあって、ともすると見落としてしまいがちな「アメリカの現状」が描かれています。


「一部の大金持ち」と「多くの貧民」という激しい経済格差、というのがホントのところのアメリカの現在。
そのキーワードは、もちろん新自由主義にあります。
極端な民営化は戦争、ついには国が責任を負うべき公共サービス…医療、教育までに及びます。



読み進めていくと、この現状が決して人事ではないということがよくわかります。
ここにルポされているような、アメリカの「市場の失敗例」をどう生かすか。
国家は国民にとって何なのか、国民の幸福と国家の在り方とは・・・という問題を改めて問い直さなくてはならない、と感じました。




この本は講義の課題図書として先生から紹介されたものでした。
「どうせ政治や世界情勢に疎い今の学生のことだから、いきなり専門書渡しても読めないだろう」と
先生が考えてこの本を取り上げたのは定かではありませんが、
とても読みやすく書かれているため、世界の政治や経済について知識を増やしてみたいけど、どこから手をつけていいかわからない。。。という方に強くオススメできる本です。
実際、わたしを含めて同じ講義をとった友人の多くが
「読みやすくて面白かった!勉強になった!」と言ってました。



たまには大学生らしいオススメをしてみようと思いました。笑


(みき)

2008年6月12日木曜日

「悪夢のエレベーター」(木下半太 )



ある夜、男が不倫相手を送りにいったマンションのエレベーター内での出来事。
男がいきなり気を失うと、そこには不思議な男女が男を取り囲んでいた。
不動産業を営むという怪しげな男。オタクっぽい男。
ゴスロリファッションに身を包んだ謎の女。
扉が開かないエレベーターの中で明かされる真実とは。
男はどんな悪夢を見たのか?

この作者さん、演劇業界に長く関わっていた人。
なので「え?次こうなるの?」という展開の仕方が非常に演劇の展開に似ています。
コメディータッチの部分とミステリ部分が上手く調和した一作だと思いました。

(美南アルファ)

2008年5月23日金曜日

現役大学生による「学問以外」のススメ




この本を手に取ったのは大学1年の終わりごろでした。今思うと、本当にこの時期にこれを読むことが出来てよかったと思います。

この本は主に関東圏の大学に通う大学生たちの、授業、部活、サークル以外の「学外活動」に全力で取り組む様子を収めたものです。「学外活動」とは、たとえばバックパッカー、バー経営、起業、自費出版、格闘技・・・など。大学の中だけでなく、外で学べるものも沢山・・・いやむしろ大学の中よりも学ぶことが多い、そんなことを教えてくれます。

読み終わった瞬間、「自分も負けてられない!」みたいな気持ちになりました。そして、「何かを新しく始めてみよう!」という気にもなりました。ちなみに私が新大ナビに入ったのは、この本を読んだことがきっかけ。

新入生へ、これ読むと動きかた次第でホントに充実した学生生活が送れるはず。

2年生、3年生へ、まだ間に合います。この本を読んだら何かしらやってみようと思えるはず。



(Kちゃん)

2008年5月13日火曜日

銀河英雄伝説


今回は田中芳樹氏の名作「銀英伝」を紹介します。
正式名称は「銀河英雄伝説」、ですがこの作品のファンは親しみを込めて“銀英伝”もしくは“銀英”とよびます。 1980年代に出版され、本編だけで1000万部を超えるベストセラーとなり、今なおその売り上げを伸ばすロングセラー作品です。

舞台は遥か未来・・・・・・
人類はその勢力を銀河系に拡大していた。
自由惑星同盟と銀河帝国という2大勢力が存在し、その中間で動き回るフェザーン自治領・・・・・・2大勢力の軍事的対立と両者の間を蝙蝠のように飛び歩く中間勢力。宇宙を駆けた戦争の果てに歴史に選ばれた英雄たち、彼らの生き様を描いたSF小説(スペースオペラ)。
それが銀英です。

読まなきゃ損(?)です(^_^)/
(ミッチェル)

2008年5月12日月曜日

板東寛司「こねこ・ねんね」



猫専門の写真家さんの手による、子猫写真集。
どのページをめくっても可愛い子猫の寝顔でいっぱいです。
帯のコピー通り、「猫はココロのツボに効く!」な一冊。

(美南アルファ)

2008年5月11日日曜日

佐藤雅彦「教科書に載った小説」



誰もが絶対に一度は手に取ったことがあるはずの、国語の教科書。
超有名どころの作品以外にも、「マイナーなんだけれど面白い話」が色々載っています。
(私はねじめ正一の「高円寺純情商店街」が好きでした)
そんな、教科書に載っている、佐藤雅彦氏のあとがきの言葉を借りれば
「(成長段階で)通過してほしい」小説を集めたアンソロジー。

1 とんかつ…………三浦哲朗
2 出口入口…………永井龍男
3 絵本………………松下竜一
4 ある夜……………広津和郎
5 少年の夏…………吉村 昭
6 形…………………菊池 寛
7 良識派……………安部公房
8 父の列車…………吉村 康
9 竹生島の老僧、
  水練のこと………古今著聞集
10 蠅…………………横光利一
11 ベンチ……………リヒター
          上田真而子 訳
12 雛…………………芥川龍之介

個人的オススメは「出口入口」「絵本」。

教科書に載っている→勉強しなくちゃいけないもの、と考えると
退屈でつまらなく思えてしまうものですが、
「勉強」という枠を取り外して改めて読んでみると
新しい発見があると思います。

*佐藤雅彦氏公式サイト内、紹介ページ

(美南アルファ)

2008年5月6日火曜日

上甲宣之「そのケータイはXX(エクスクロス)で」



女子大生のしよりと愛子が旅行で訪れた人里離れた温泉地。
旅館の押入れに忘れ去られた携帯電話の「今すぐ逃げろ!」という電話を皮切りに、
2人は事件に巻き込まれることになる。
旅人の女性が片目、片腕、片脚を奪われ、“生き神”として座敷牢に一生監禁されてしまうという伝説。
迫り来る村人たち。
頼りになるのは携帯電話のみ…その携帯電話から情報を発信しているのも素性が知れない人物。
どこまでが嘘?どこまでが本当?

二転三転していく話の展開と、中盤のバトル部分でぐっとひきつけられます。
同じ出来事がしより・愛子それぞれの目線で書かれているので
その二つの視点が交差して「ああこうなってたんだ!」と思う面白さがあったり。
一気に読み進んでしまうこと間違いなし。

(美南アルファ)

2008年4月4日金曜日

「三谷幸喜のありふれた生活」シリーズ


朝日新聞連載中のエッセイ「三谷幸喜のありふれた生活」書籍版の新刊を買いました。
三谷幸喜さんの軽妙な文章と、和田誠さんの味のあるイラストの組み合わせ、三谷さんも和田さんも大好きな私にとっては夢のようなコラボ。
ハードカバーの本をあまり買わない私でも発売とほぼ同時に買っています。
内容は日々のあれこれ。家族の奥さんや犬猫たちとのこと、仕事現場のこと、オススメ作品のこと、など。
気負わずに軽い気持ちで読めるシリーズだと思います。

(美南アルファ)

2008年4月3日木曜日

中島らも「こどもの一生」


4月3日は故・中島らもさんの誕生日ということで、私の好きならもさん作品を。

瀬戸内海に浮かぶとある島にあるセラピー施設「MMMクリニック」。
ストレスを抱えた人々を治療するためにこの施設では投薬と催眠療法で患者たちを精神的に退行させ10歳の子供の状態にしてしまう。今回訪れたクライアントは落ち目のアイドル、作法の家元、コンピュータに強い頭脳明晰な青年、企業の社長と秘書、の計5人。一部現実世界でのしがらみを持ち込みながらも「5人のこどもたち」は島で遊び始め、徐々に奇妙な人間関係が築きあげられていく。子供ならではの派閥が徐々に生まれ、そこから子供たちはいじめっ子をぎゃふんと言わせようと「ある遊び」を考え付くのだがそれが元で台風が接近した夜、恐怖がクリニックを襲うことに――。


心理学をかじった人ならうんうんと頷ける部分もあるかと思います。
前半は10歳児に退行した5人の会話の面白さで引っ張り、後半は一転してホラーの世界。
前半の明るさとのギャップが凄まじいです。
読後は表紙絵を見ただけでもビクっとしてしまいました…。

2008年2月26日火曜日

私立!三十三間堂学院(佐藤ケイ)


 「メタ萌え」という新しいジャンルを開拓した佐藤ケイさんの二つ目のシリーズ作品です。佐藤ケイさんといえば、『天国に涙はいらない』で第7回電撃小説大賞で金賞を受賞したことで有名な作家ですが、今回の『私立!三十三間堂学院』ではまた一風変わった作風を展開し、作者独特の強い癖に慣れたつもりの読者たちの多くを戸惑わせました。
 この作品では、元女子校に男子が一人だけ転入するというありがちなハーレムラブコメの体裁を取りながら、「恋の争い」というものを謀略や闘争の入り乱れる群雄割拠の群像劇として描いています。この新しいスタイルをどのように読み解くべきか様々な見解が出されましたが、2004年11月に出版された第2巻にて「学園群雄戦略ラブコメ」なるキャッチフレーズが付いた事で新しいジャンルとして認識されました。
 「今までのラブコメは飽きた」とか、「ちょっと新鮮なジャンルに挑戦したい」という方にはオススメです!

(ミッチェル)

空の境界 上(奈須きのこ)


 2001年12月に同人小説として発表され、2004年6月に講談社ノベルスより出版された『空の境界(上・下)』を講談社文庫で2007年11月から毎月一冊上・中・下に分けて再出版したものです。上巻の解説は「館シリーズ」で有名な綾辻行人というビックネームが担当しています!
 「月姫」、「Fate」で培われた奈須きのこワールドの一大傑作を是非読んでみてください(^^)/
 上巻のタイトルは以下の通りです。

第一章・俯瞰風景 Thanatos.
第二章・殺人考察(前) ……and nothing heart.
第三章・痛覚残留 ever cry,never life.


 なお、第一章から第三章までは既に映画化されています。

(ミッチェル)

2008年1月29日火曜日

「医学のたまご」(海堂尊)



表紙イラストが可愛らしかったので思わず本屋さんで手に取った一冊です。

主人公・曽根崎薫はゲーム理論の研究者である父を持つ中学生。
歴史は誰にも負けない知識を持っているけれど、英語も、数学も苦手。
父が問題を作成した「潜在能力テスト」が実施され、
何度も何度も問題を目にしていた薫はすんなりそれを解いてしまい
全国一位の成績に輝くことになる。
そして全国の上位成績の子供のための特別プログラムとして
中学に通いながら東城大学の医学部で研究をすることに!?
普段は漫画雑誌が愛読書なのにいきなり宿題が分厚い医学書10冊!?
そういえば父は「何事も勝ちすぎるな」と言っていたっけ・・・

話が進むにつれ医学部での「大人の世界」の裏側が描かれます。
マスコミ取材の裏側、実験の経緯、論文の捏造・・・etc.
大人の世界の中で主人公がとる行動とは。

中高生対象の本で基本ストーリーは割と「王道ジュブナイル」。
作者は現役の医師なので面白医療小ネタも多いですし、
同じ作者の本の登場人物がちょっぴり顔を出していたり。
大人でも面白く読めると思います。
(「大人が読んでも面白い児童書」は大好きです)

将来医療関係の道に進もうと思う人。
何かに迷っている人。
勉強の合間に気楽に手に取ってみてください。

(美南アルファ)

2008年1月23日水曜日

「まこという名の不思議顔の猫」



最近は「ブサカワ」なる言葉が流行なんだそうで。
この猫の「まこ」、一度見たら忘れられない顔をしています。
ふてぶてしいというかなんというか。

飼い主さんの愛情が詰まった一冊です。

*ブログ

(美南アルファ)

2008年1月15日火曜日

「紫の女(ひと)」殺人事件(内田康夫)

 
内田康夫の浅見光彦シリーズのうちの一冊です。
舞台は熱海、被害者の一人は生き返って「幽体離脱で犯人を見た」と証言するが、警察は取り合わない。事件の真相究明を依頼された浅見光彦が複雑に絡まる事件の真実を解き明かしていく・・・・・・

 って感じに物語が進んでいくわけですが、基本的に浅見光彦のシリーズは面白いです。是非読んでみてくださいな。

(ミッチェル)  

2008年1月14日月曜日

「サウス・バウンド」(奥田英朗)



中野の小学校に通う主人公の父親は元・過激派。
税金は払わないし、集金の人とはいつも大喧嘩。
子供たちにも「学校なんて行くことはない」と常日頃言うような、
一風変わった人である。
家族以外の人と揉めるのなんて日常茶飯事。
そんな父が東京を飛び出して沖縄に移住すると言い出した―。

この作家さんの本、結構好きなんですが
この本は帯にあった「過激派」という言葉がひっかかって
なかなか手に取らずにいました。
なんだか小難しい本じゃないの?面白いの?と。
ところが読み始めて、500ページを越す大長編なのに、
気づけば一気に読んでしまっていました。

小学生の主人公の目線で描かれているので、
読者も一から色々なことを学べます。
「国」とは何か?「政府」とは何か?
人間にとって正しい生き方とは?
普段はなかなか意識することの少ない問題です。
それがこの作者の軽妙な語り口で、
わかりやすく且つ生き生きと描かれています。

きっとこんな人がお父さんだったら主人公みたいに毎日疲れるだろうなぁ、
と思う反面、
こんなに自由で束縛されない人間らしい生き方も素敵だなぁ、
と思ったのでした。

(美南アルファ)

2007年12月27日木曜日

「親孝行プレイ」(みうらじゅん)

明日から実家に帰省です。
年末年始は久しぶりに実家に帰るという人も多いのではないでしょうか。

実家生活と一人暮らしの大きな違いは「親」の存在です。
たまに帰ったときぐらい親孝行を・・・と思ってもなかなか行動に移せない人、
気恥ずかしい思いが消せない人など、いませんか?

そんな人にオススメの一冊がこの「親孝行プレイ」(みうらじゅん)。
親孝行学を研究し、親コーラー(親孝行実践者の意)としてみうら氏が提案するこの概念。
「相手が親だからこそ誰よりも気を遣い、誰よりもサービス精神を持ち、
誰よりも接待感覚を忘れてはならない。そう、親を喜ばせるという行為は、
もはや”心の問題”ではなく実際にどう行動するか―――
つまり、”プレイ”の一環なのである。心に行動が伴うのではなく、
行動の後に心が伴うのが現代の親孝行なのだ」

具体的な行動に際するワンポイントアドバイスも充実しています。
幾つかを紹介すると、
・母親編:家に帰ったら、新しく増えた家具や雑貨など細かなところに目を向け、
「あれ、これ新しく買った?」など話題に取り入れること。
特に母親は家電の話が好きなので話に付き合うと喜ばれる。

・父親編:プレゼントを贈る際には年をとったことを実感させる品は×。
ボケ防止グッズよりもちょっとカジュアルな洋服などがオススメ。

・「うっかり布団をかけずにうたた寝してしまった子供に布団をかけてやる」は、
子供時代のことを思い出すことができ、親は結構喜んでくれる。

・自慢話をするときは少し大げさなくらいが良い。

社会人になってから、結婚してからも使える丸秘テクニックも満載!
帰省前にはこの本で是非親孝行について予習しておきましょう(笑

(美南アルファ)