
内容としては、進学校の弱小野球部の女子マネージャーが、選手や監督を鼓舞し、みんなで甲子園を目指す・・・というもの。青春小説としてはありがちな設定ですが、他と一線を画しているところはやはり、書名からもわかるようにドラッカーの名著『マネジメント』(私はまだ読んだことありませんが・・・)の教えをもとにして、野球部という『組織』を変革していくところです。
この本の主人公の女子マネージャーは、マネージャーの仕事を勉強するために半ば勘違いしてドラッガーの本を買ってしまいます。後書きで著者も言っていましたが、日本語の「マネージャー」という言葉と英語の「manager」の意味って、だいぶ違っているんです。日本語だと部活のマネージャーとか芸能人のマネージャーみたいに外側から助けるサブ的な意味が強いんですが、英語だと経営者とか、責任者監督とかいうみんなの先頭に立つ人っていう意味になるんですよね。
そんな勘違いから始まっていく物語ですが、主人公は英語のmanagerの意味どおりに、女子マネージャながら中心的な位置に立ち、野球部という組織に所属する人々、そして野球部を取り囲んでいる人々をうまく動かしながら、野球部をどんどん強くしていきます。
またストーリーもなかなか作りこまれていて、エンターテインメントとしても十分楽しめます。部員が練習をサボる、エースと監督の仲が最悪、後輩が心を開いてくれない・・・様々な逆境が立ちはだかるなか、果たして弱小野球部は目標の甲子園に行くことができるのか!?
楽しく経営や組織について勉強できる、秀逸な一冊です。マジでこれはオススメします。経済学部の学生はもちろん、特に最近部活やサークルでリーダー的なポジションに立った人などにぜひ読んでほしいと思います。
(Kちゃん)
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
著者 岩崎夏海
ダイヤモンド社
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