2008年1月30日水曜日

「スウィーニー・トッド ~フリート街の悪魔の理髪師~」



スウィーニー・トッド ~フリート街の悪魔の理髪師~」観てきました。

舞台はロンドンの片隅にあるフリート街。
悪徳判事の陰謀で無実の罪で投獄された理髪師ベンジャミン・バーカー。
15年後になんとか脱獄に成功し、街に戻ったバーカーは
愛する妻は服毒自殺、娘は判事に幽閉されていることを知り、
「スウィーニー・トッド」と名を変えて復讐を心に誓う。
相棒は研ぎ澄まされた剃刀と、
トッドの理容院の下の階で売れないミートパイ屋を営むラベット。

日本ではR-15指定がかかっています。
・・・かなり、グロいシーンも登場します。
お食事直前直後の鑑賞はあまりオススメいたしません。

それでも全体的に黒を基調とした映像の中での真っ赤な血の鮮やかさ、
ミュージカル仕立てで登場人物が歌う数々の音楽、
所々に入る監督のティム・バートンらしいユーモア、
とにかく人を「魅せる」作品でした。

かなり好みが分かれると思います。
同じくバートン×ジョニー・デップの「シザーハンズ」に
雰囲気がちょっと似ているかもしれません。
私は結構好きな一本です。

(美南アルファ)

2008年1月29日火曜日

「医学のたまご」(海堂尊)



表紙イラストが可愛らしかったので思わず本屋さんで手に取った一冊です。

主人公・曽根崎薫はゲーム理論の研究者である父を持つ中学生。
歴史は誰にも負けない知識を持っているけれど、英語も、数学も苦手。
父が問題を作成した「潜在能力テスト」が実施され、
何度も何度も問題を目にしていた薫はすんなりそれを解いてしまい
全国一位の成績に輝くことになる。
そして全国の上位成績の子供のための特別プログラムとして
中学に通いながら東城大学の医学部で研究をすることに!?
普段は漫画雑誌が愛読書なのにいきなり宿題が分厚い医学書10冊!?
そういえば父は「何事も勝ちすぎるな」と言っていたっけ・・・

話が進むにつれ医学部での「大人の世界」の裏側が描かれます。
マスコミ取材の裏側、実験の経緯、論文の捏造・・・etc.
大人の世界の中で主人公がとる行動とは。

中高生対象の本で基本ストーリーは割と「王道ジュブナイル」。
作者は現役の医師なので面白医療小ネタも多いですし、
同じ作者の本の登場人物がちょっぴり顔を出していたり。
大人でも面白く読めると思います。
(「大人が読んでも面白い児童書」は大好きです)

将来医療関係の道に進もうと思う人。
何かに迷っている人。
勉強の合間に気楽に手に取ってみてください。

(美南アルファ)

2008年1月28日月曜日

かりゆし58



伊勢丹の催し物「大沖縄展」を見てきました。
今日の目玉は沖縄発の人気バンド「かりゆし58」の無料ライブ!
「かりゆし」は沖縄の言葉で「おめでたい」、リゾートホテルの名前などにもなっています。
「58」は沖縄のメインストリートである国道58号線から。
国道58号線が海を越えて九州にまでつながっているように、かりゆし58の音楽も海を越えて日本中に響きわたるようにという願いも込められているそうです。

何回か、観光旅行で沖縄に行ったことがあります。
そしてその度に沖縄の人の温かい気持ちを感じます。

中越地震、中越沖地震とここ近年2度の地震があった新潟県のことを、
メンバーはとても大事に思っているようで、
絶対被災地にライブに来ると言っていました。
ライブチケットにお金が使えない人のために無料の会場でもやる。
それぞれのスタイルで応援してほしい。と。

今日のライブのMCの中でも、
「沖縄は戦争という痛みを受けて、そこから笑顔でまた立ち上がった。
痛みを受けてそこから人に優しくできる気持ちを持つことはとても格好いいと思う。」
という言葉がありました。

沖縄の歴史、戦争、親への感謝の気持ち・・・などなど、
「痛みから生まれた優しさ」がいっぱいにつまったかりゆし58の音楽は
すんなりと自然に体に響いてくる気がしました。

(美南アルファ)

2008年1月27日日曜日

「キサラギ」


まだレンタル開始直後で新作料金はちょっと財布に痛かったけど、
久々に邦画の「当たり」でした。

自殺したアイドル如月ミキの一周忌、
ファンサイトを通じた呼びかけで集まった如月ミキファンの5人。
主催者でありミキにずっと手紙を送っていた「家元」(小栗旬)。
少し神経質そうなところもある「オダ・ユージ」(ユースケ・サンタマリア)。
ミキへの想いなら負けない!という熱血な「スネーク」(小出恵介)。
片道六時間かけ、はるばる福島から出てきた「安男」(塚地武雅)。
ストーカーチックだったり、謎の多い「イチゴ娘」(香川照之)。

5人が顔を合わせ、ミキについて語っていくうちに
話はミキの死に向かうことになる。
「なぜ如月ミキは自殺したのか?」

徐々に明らかになる5人それぞれのミキにまつわる事情。
そしてそこから導き出された結論とは?

舞台はビルの一室の、いわゆる「密室劇」です。
5人の会話のやりとりだけで話が進んでいきます。
5人全員がきちんとキャラが立っていて、笑いと涙のバランスもいい感じ。
脚本家さんの力量を感じました。
ユースケ・サンタマリアの役名が「オダ・ユージ」で
「踊る大捜査線」名台詞もしっかり出てきたりするあたり、
脚本家さん、通の心をつかんでいるなぁという感じです(笑

ミステリ好きな人にもコメディ好きな人にもオススメです!

「キサラギ」公式サイト

(美南アルファ)

2008年1月23日水曜日

「まこという名の不思議顔の猫」



最近は「ブサカワ」なる言葉が流行なんだそうで。
この猫の「まこ」、一度見たら忘れられない顔をしています。
ふてぶてしいというかなんというか。

飼い主さんの愛情が詰まった一冊です。

ブログ

(美南アルファ)

2008年1月21日月曜日

「大鍋だからうまいのだ 」(小水とうた )



小水とうたさんは映画やCMの撮影現場に食べ物の差し入れをする
「ケイタリング」をしている人です。
「海猿」「バトル・ロワイヤル」「ALWAYS 3丁目の夕日」etc.
多くの撮影現場での活躍が映画作りを影で支えているわけです。

直径60センチの大鍋で作る絶品料理のレシピを
集めたのがこの本★

大鍋料理の良いところは
・ちょっとくらい間違えても大丈夫!(笑
・大鍋を使うと味がしみて美味しい!
・皆でワイワイ賑やかに食事ができる! など。

友達同士で宅飲みをするとき、
料理作りの参考にしてみてはいかがでしょうか。

(美南アルファ)

2008年1月15日火曜日

「紫の女(ひと)」殺人事件(内田康夫)

 
内田康夫の浅見光彦シリーズのうちの一冊です。
舞台は熱海、被害者の一人は生き返って「幽体離脱で犯人を見た」と証言するが、警察は取り合わない。事件の真相究明を依頼された浅見光彦が複雑に絡まる事件の真実を解き明かしていく・・・・・・

 って感じに物語が進んでいくわけですが、基本的に浅見光彦のシリーズは面白いです。是非読んでみてくださいな。

(ミッチェル)  

2008年1月14日月曜日

「サウス・バウンド」(奥田英朗)



中野の小学校に通う主人公の父親は元・過激派。
税金は払わないし、集金の人とはいつも大喧嘩。
子供たちにも「学校なんて行くことはない」と常日頃言うような、
一風変わった人である。
家族以外の人と揉めるのなんて日常茶飯事。
そんな父が東京を飛び出して沖縄に移住すると言い出した―。

この作家さんの本、結構好きなんですが
この本は帯にあった「過激派」という言葉がひっかかって
なかなか手に取らずにいました。
なんだか小難しい本じゃないの?面白いの?と。
ところが読み始めて、500ページを越す大長編なのに、
気づけば一気に読んでしまっていました。

小学生の主人公の目線で描かれているので、
読者も一から色々なことを学べます。
「国」とは何か?「政府」とは何か?
人間にとって正しい生き方とは?
普段はなかなか意識することの少ない問題です。
それがこの作者の軽妙な語り口で、
わかりやすく且つ生き生きと描かれています。

きっとこんな人がお父さんだったら主人公みたいに毎日疲れるだろうなぁ、
と思う反面、
こんなに自由で束縛されない人間らしい生き方も素敵だなぁ、
と思ったのでした。

(美南アルファ)